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「矢絣(やがすり)は卒業式にダメって本当?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
明治・大正時代から女学生の象徴として愛されてきた矢絣柄ですが、一部では「普段着っぽい」「格式が低い」といった声も聞かれます。
本記事では、矢絣がなぜ卒業式にふさわしくないと言われるのか、その背景にある誤解や歴史を解説。
さらに、現代の卒業式で矢絣が定番人気である理由やおすすめの選び方をご紹介します。
矢絣(やがすり)とは?意味とデザインの基本
矢絣(やがすり)は、日本の伝統的な文様のひとつであり、卒業式の袴姿といえばまず思い浮かぶ代表的な柄です。
まっすぐに伸びる矢羽根をモチーフにした模様には「前に進む」「決意を固める」といった意味が込められ、縁起柄として長く愛されてきました。
さらに明治・大正時代には女学生の定番スタイルとして定着し、今でもレトロで知的な雰囲気を演出できるデザインとして人気を集めています。
ここでは矢絣の由来や特徴、そして歴史的な背景についてご紹介します。
矢絣柄の由来と特徴
矢絣は、弓矢の羽根である「矢羽根」をモチーフに連続して描かれた模様です。
矢は一度放つと戻らないことから、「一途」「前進」「出戻らない」といった意味合いを持ち、結婚の際に「出戻りのないように」と娘に持たせる風習もありました。
柄の持つ力強さと潔さは、着る人に凛とした印象を与え、古くから縁起の良い模様として親しまれてきました。
シンプルで規則的なパターンは飽きが来ず、現代でも多くの女性に支持されています。
女学生に愛された歴史
矢絣柄が広く普及したのは明治から大正にかけての時代です。
当時、学問に励む女性たちが袴と矢絣柄の着物を合わせた姿は“女学生の制服”と呼ばれるほど定番化しました。
その姿は文学作品や映画、写真にも数多く残されており、知性や自立を象徴する存在として多くの人の記憶に残っています。
現代の卒業式で矢絣が「袴といえばこれ」と連想されるのは、こうした歴史的背景があるからです。
レトロで上品、かつクラシカルな矢絣は、今なお卒業式の装いに選ばれる定番柄となっています。
なぜ「矢絣は卒業式にダメ」と言われるのか?
矢絣は卒業式袴の定番柄として多くの人に選ばれていますが、一方で「式典にはふさわしくないのでは?」と耳にすることがあります。
その背景には、歴史的な位置づけや家庭ごとの価値観が影響しています。
ここでは「矢絣は卒業式にダメ」と言われる主な理由を整理してみましょう。
理由①:女学生や女中の“普段着”だったから
矢絣柄の着物は明治・大正期、女学生の通学服として広く着用されていました。
その一方で、家事や奉公に従事する女中の仕事着としても用いられていた歴史があります。
そのため一部では「矢絣=日常着」というイメージが強く残り、格式を重んじる式典の場にはそぐわないと考える人もいます。
理由②:矢絣は小紋柄に分類されるため
着物の格付けにおいて矢絣は「小紋」にあたります。
小紋は普段着やおしゃれ着として扱われ、振袖や訪問着、色無地の着物に比べると格が下とされます。
そのため地域や家庭のしきたりで「卒業式のような式典には格式の高い柄を」との考え方から、矢絣を避ける意見につながっているのです。
■厳かな雰囲気の古典柄の卒業式袴
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矢絣柄はむしろ卒業式にぴったりな理由
矢絣は「普段着柄だから卒業式にふさわしくない」と言われることもありますが、実際には前向きな意味を持つ縁起柄であり、現代の卒業式にぴったりのスタイルです。
ここでは、矢絣が卒業式に選ばれる理由を3つの観点からご紹介します。
理由①:「前に進む」縁起の良さ
矢羽根をモチーフにした矢絣は、「放った矢は戻らない」ことから、前進や決意を象徴する柄です。
卒業式は新たな道へ進む節目。未来に向かう門出を祝うシーンに、これほど意味合いが合致する柄はなかなかありません。
理由②:女学生らしいクラシカルな魅力
矢絣は明治・大正期の女学生に広まり、「袴=矢絣」と言われるほど代表的なスタイルとなりました。
そのためクラシカルで知的な印象を与えることができ、現代の卒業式でも写真映えする人気柄です。
小物や袴の色を工夫すれば、レトロ感と今っぽさをバランスよく取り入れられます。
理由③:今の卒業式では小紋柄やモダン柄も人気だから安心
矢絣は小紋柄に分類されるため、かつては「格式が低い」と言われることもありました。
しかし現代の卒業式では、花柄やモダンデザインなど幅広い着物が選ばれており、装いの自由度は格段に高まっています。
矢絣はその中でも伝統的で知的な印象を与える柄として根強い人気があり、袴レンタルでも常に定番の一つ。
つまり「小紋だから卒業式に不向き」という考え方は過去の価値観であり、今では安心して選べる柄と言えるでしょう。
■レトロモダン柄の卒業式袴
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また、近年は卒業式袴に帽子を合わせるなど、伝統にとらわれないスタイルも注目されています。
自分らしさを表現できるのが、今の卒業式ならではの魅力です。
■帽子をあわせた卒業式袴
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現代の卒業式では矢絣柄は定番スタイル
かつては「矢絣は普段着だから卒業式に不向き」と言われることもありましたが、今の卒業式シーンではまったく逆。
矢絣は袴レンタルの定番柄として毎年高い人気を誇り、学生にとっても“憧れのスタイル”となっています。
古典的な美しさとレトロモダンな雰囲気を兼ね備えているため、トレンドに左右されず安心して選べるのも魅力です。
ここでは現代の卒業式における矢絣柄の定番ぶりをご紹介します。
人気ランキングでも常に上位
多くの袴レンタルショップでは、矢絣柄の着物が定番ラインナップとして用意されています。
実際に人気柄ランキングでも上位に入ることが多く、卒業式シーズンには赤や紫などの矢絣柄に予約が集中するほどです。
「矢絣に憧れて袴を選んだ」という声も少なくなく、王道スタイルとして根強い支持を得ています。
カラーバリエーションが豊富
伝統的な赤・紫・紺の矢絣はもちろん、最近では淡いグリーンなど現代的な色合いも登場しています。
柄はクラシックでも色味を工夫することで、落ち着いた印象から華やかさまで自由に演出可能。
友人とかぶりにくい配色を選ぶ楽しみも広がっています。
こんな人に矢絣柄はおすすめ!
矢絣は古典的で知的な雰囲気を持ちながら、現代的なアレンジもしやすい万能柄です。
そのため卒業式で着こなすと、幅広い世代から好印象を持たれる安心感があります。
「かわいい系よりも落ち着きや品格を大切にしたい」「家族との記念写真をしっかり残したい」など、矢絣はさまざまなニーズに応えてくれる柄です。
ここでは特に矢絣柄をおすすめしたい方のタイプをご紹介します。
知的で落ち着いた雰囲気を出したい人
矢絣は直線的で規則正しい模様のため、シンプルながらも凛とした印象を与えます。
かわいらしい花柄や華やかな色柄よりも、知的で落ち着いた雰囲気を重視したい方にはぴったり。
大人っぽさを演出したい方や、卒業を機に一歩成長した姿を見せたい方にもおすすめです。
レトロモダンなコーデを楽しみたい人
矢絣はクラシカルな柄ながら、袴や小物の組み合わせ次第でモダンな雰囲気にも仕上げられます。
例えば深い紫の矢絣に黒袴を合わせればレトロな雰囲気に、淡いグリーンやグレーの矢絣に差し色の帯を合わせればおしゃれなモダンコーデに。
自分らしさを出したい方にとって、矢絣は自由度の高い柄です。
卒業式での矢絣柄に関するよくある質問(FAQ)
矢絣を卒業式で着たいと思っても、「本当に大丈夫かな?」「周りから浮かないかな?」と不安に感じる方も少なくありません。
ここでは、矢絣に関してよく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。
ぜひ袴選びの参考にしてください。
Q1. 矢絣は本当に卒業式で着ても大丈夫ですか?
A. 問題ありません。むしろ卒業式の定番柄です。
矢絣は女学生の袴姿を象徴する柄として長く親しまれてきました。
現在では袴レンタルでも定番人気で、毎年多くの学生が選んでいます。
Q2. 矢絣は格式が低くて恥ずかしいというのは本当?
A. いいえ。過去の価値観に基づく誤解です。
矢絣は小紋柄に分類されますが、「前に進む」という意味を持つ縁起柄であり、卒業の門出にふさわしいと考えられています。
世代を問わず好印象を持たれる安心感のある柄です。
Q3. 矢絣以外のおすすめ袴柄はありますか?
A. 季節の花柄やモダンなデザインも人気です。
桜や梅などの花柄は華やかで春らしさを演出でき、モダン柄やパステルカラーは個性を出したい方におすすめです。
矢絣と同様に、卒業式らしい華やかさを楽しめます。
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まとめ
矢絣は「普段着柄だから卒業式には不向き」と言われることもありますが、それは過去の価値観や一部の誤解によるものです。
実際には「前へ進む」という意味を持つ縁起の良い柄であり、今では卒業式の定番スタイルとして多くの学生に選ばれています。
ハカマエイトなら豊富な矢絣柄の着物と袴をご用意し、トータルでコーディネートをサポート。
ぜひ来店予約をして、自分らしい一着を見つけてください。